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作品の前に注釈することはあまりしたくないんですが、
これはあまりにひどすぎるのでmixiには載せるのを自重したネタです。
vixiには載せたやつです。
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これはあまりにひどすぎるのでmixiには載せるのを自重したネタです。
vixiには載せたやつです。
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僕は交差点で信号待ちをしていた。右肩には教科書のせいでずっしりと重くなったバッグがぶら下がっている。左手には、家の近くのコンビニで買ったミネラ ルウォーターと、おにぎりが入った袋がぶら下がっている。そして言わずもがなだが、ジーンズに覆われた僕の中央には、ちんこがぶら下がっている。
その日は34℃まで気温が上がり、コンクリートから照り返る熱の上で、僕はじりじりと焼かれていた。通りすがるサラリーマンも、女子高生も、みな同様に加熱されていた。遠くに陽炎が立ち昇っていた。
信号待ちの間、僕は昨日のちょっとしたいさかいのことを考えていた。中学からの友人アレクセイが、日本の右ハンドルを考えなしに批判したのが始まりだっ た。僕は車が苦手だった。アレクセイは車を運転できない僕を封殺し、しきりに左ハンドルの素晴らしさをぺちゃくちゃとしゃべくるのだ。終いに彼が「外車に 乗らない日本人は全員左脳がいかれている」と言ったとき、僕は彼の口をふさがずにいられなかった。だがアレクセイは力が強く(昔から喧嘩が強かった)、僕 は逆に両腕を押さえつけられた。僕は最後の力を振り絞って、彼の口をちんこでふさいだ。これには成功したが、アレクセイは激怒して、僕を跳ね飛ばし、近く にあったスクーターにまたがって、山の向こうへ消えた。
今日、アレクセイは学校へ来るだろうか。長い信号待ちもそろそろ終わりを迎えるところだ。もし今日アレクセイが学校に来るならば、僕はアレクセイの口を ちんこでふさいだことを謝るつもりだ。しかし彼が右ハンドルを馬鹿にしたことを許すのではない。それについては、彼が謝るまでお預けだ。
信号が青に変わった。
僕が一歩を踏み出したとき、世界は一変した。
信号をぎりぎりで通過しようと横断歩道に突っ込んできた車が、おばあちゃんをはねたのだ。おばあちゃんはまるでおもちゃのようにおもしろいくらい吹き飛 び、空中で血を噴きながら回転し、30m先で駐車違反の取締りをしていた2人の男の間に正座の姿勢で着地した。スローモーションのコマ送り映像だった。お ばあちゃんは何事も無かったかのように立ち上がっていたが、ぼくの心臓は驚きのあまり飛び出しそうになった。
熱い鉄板の上で、誰もがどよめいていた。その一瞬、誰もが暑さを忘れていた。真夏の強烈なワンシーンだった。すぐに救急車と警察がやってきて、車を運転 していた87歳の女性を逮捕した。はね飛ばされたほうのおばあちゃんも、元気そうだったが、一応病院に搬送されたようだ。
しかし、こんなことは僕には関係ないのだ。僕は今日も学校に行かなくてはならない。交通事故を目撃したので、というような理由では、遅刻は認められない のだ。それに、アレクセイのことも気にかかっていた。僕にとっては、見知らぬ人同士の凄惨な事故より、身近なアレクセイとの関係を回復するほうが大事だっ た。
教室に入るやいなや、アレクセイと目が合った。彼は来ていた。そしてすぐ、彼はニカッと笑った。アレクセイは、「ごめん、悪かったよ。昨日あれから図書館で、右ハンドルについて勉強したんだ。右ハンドルにも魅力があることを知ったよ、本当に悪かった」と言った。
僕もすぐに謝った。「ごめんよ、アレクセイ。あんな些細なことで君の口にちんこを突っ込んでしまって。僕を許してほしい。そしてできればこれからも友達でいてほしいんだ」
彼は僕を許した。僕らは教室で固く握手をした。彼のちんこも、固くいきり立っていた。もちろん、僕のちんこも、固くいきり──
無い。
僕のちんこが無い。
どこだ、どこで失くしたんだ。僕は狼狽した。アレクセイはいぶかった。僕のあわてぶりは、尋常じゃなかったらしい。当たり前だ、ちんこが無くなったのだ。いったいいつどこへ消えたんだ。
そうだ、と僕は思った。
交差点で信号待ちをしているとき、僕のちんこは確実に僕の中央にぶら下がっていた。となると、あの事故に気をとられている間に、僕はちんこを失ったに違 いない。急いで、現場に戻らなくては──しかし、授業がある──いやそれがどうした、男のシンボルともいえるちんこを失くして、のんきに授業を受けている 場合か。
僕は交差点へ戻った。アレクセイが僕を追ってきた。彼は僕に尋ねた。僕は「ちんこが無いんだ!」と泣きそうな顔で言った。その顔にはすでに、どこか女性 特有の弱々しさが感じられた、とアレクセイは言っていた。僕は徐々に女になりつつあったのだ。このままでは完全に女体化してしまう、僕は急いでちんこを探 した。
しかし、ちんこは見つかることはなかった。
すっかりしょげた僕が家に帰り着いたのは、夜の21時だった。
警察には届けた。だが警察は言っていた。
「ちんこねぇ。昔は多かったけど、今は失くす人が少ないんだよ。拾った人も、これ幸いとばかりに、ネコババするケースが多くてね」
僕は部屋の電気もつけず、ひっそりと泣いた。まるで見知らぬ女性が助けを求めてすすり泣いているような、そんなか細い泣き声だった。
次の日の朝、僕がニュースを見ていると、昨日の事故についてやっていた。
そこで僕は、初めて自分のちんこの行方を知った。
ニュースでは、87歳の無職女性が、なんと76歳の無職「男性」をはねたということになっていたのだ。
はねられたのは、おばあちゃんのはずだ。僕はその日、アレクセイに一本電話を入れると、大学ではなく、警察へと足を向けた。期待で胸が膨らんだ。
いや、比喩でなしに、僕の胸は膨らみかけていた。これは冗談では済まされない事態だった。女体化は着実に進行していた。
しかし、「希望」は、見出されたのだ。
その日は34℃まで気温が上がり、コンクリートから照り返る熱の上で、僕はじりじりと焼かれていた。通りすがるサラリーマンも、女子高生も、みな同様に加熱されていた。遠くに陽炎が立ち昇っていた。
信号待ちの間、僕は昨日のちょっとしたいさかいのことを考えていた。中学からの友人アレクセイが、日本の右ハンドルを考えなしに批判したのが始まりだっ た。僕は車が苦手だった。アレクセイは車を運転できない僕を封殺し、しきりに左ハンドルの素晴らしさをぺちゃくちゃとしゃべくるのだ。終いに彼が「外車に 乗らない日本人は全員左脳がいかれている」と言ったとき、僕は彼の口をふさがずにいられなかった。だがアレクセイは力が強く(昔から喧嘩が強かった)、僕 は逆に両腕を押さえつけられた。僕は最後の力を振り絞って、彼の口をちんこでふさいだ。これには成功したが、アレクセイは激怒して、僕を跳ね飛ばし、近く にあったスクーターにまたがって、山の向こうへ消えた。
今日、アレクセイは学校へ来るだろうか。長い信号待ちもそろそろ終わりを迎えるところだ。もし今日アレクセイが学校に来るならば、僕はアレクセイの口を ちんこでふさいだことを謝るつもりだ。しかし彼が右ハンドルを馬鹿にしたことを許すのではない。それについては、彼が謝るまでお預けだ。
信号が青に変わった。
僕が一歩を踏み出したとき、世界は一変した。
信号をぎりぎりで通過しようと横断歩道に突っ込んできた車が、おばあちゃんをはねたのだ。おばあちゃんはまるでおもちゃのようにおもしろいくらい吹き飛 び、空中で血を噴きながら回転し、30m先で駐車違反の取締りをしていた2人の男の間に正座の姿勢で着地した。スローモーションのコマ送り映像だった。お ばあちゃんは何事も無かったかのように立ち上がっていたが、ぼくの心臓は驚きのあまり飛び出しそうになった。
熱い鉄板の上で、誰もがどよめいていた。その一瞬、誰もが暑さを忘れていた。真夏の強烈なワンシーンだった。すぐに救急車と警察がやってきて、車を運転 していた87歳の女性を逮捕した。はね飛ばされたほうのおばあちゃんも、元気そうだったが、一応病院に搬送されたようだ。
しかし、こんなことは僕には関係ないのだ。僕は今日も学校に行かなくてはならない。交通事故を目撃したので、というような理由では、遅刻は認められない のだ。それに、アレクセイのことも気にかかっていた。僕にとっては、見知らぬ人同士の凄惨な事故より、身近なアレクセイとの関係を回復するほうが大事だっ た。
教室に入るやいなや、アレクセイと目が合った。彼は来ていた。そしてすぐ、彼はニカッと笑った。アレクセイは、「ごめん、悪かったよ。昨日あれから図書館で、右ハンドルについて勉強したんだ。右ハンドルにも魅力があることを知ったよ、本当に悪かった」と言った。
僕もすぐに謝った。「ごめんよ、アレクセイ。あんな些細なことで君の口にちんこを突っ込んでしまって。僕を許してほしい。そしてできればこれからも友達でいてほしいんだ」
彼は僕を許した。僕らは教室で固く握手をした。彼のちんこも、固くいきり立っていた。もちろん、僕のちんこも、固くいきり──
無い。
僕のちんこが無い。
どこだ、どこで失くしたんだ。僕は狼狽した。アレクセイはいぶかった。僕のあわてぶりは、尋常じゃなかったらしい。当たり前だ、ちんこが無くなったのだ。いったいいつどこへ消えたんだ。
そうだ、と僕は思った。
交差点で信号待ちをしているとき、僕のちんこは確実に僕の中央にぶら下がっていた。となると、あの事故に気をとられている間に、僕はちんこを失ったに違 いない。急いで、現場に戻らなくては──しかし、授業がある──いやそれがどうした、男のシンボルともいえるちんこを失くして、のんきに授業を受けている 場合か。
僕は交差点へ戻った。アレクセイが僕を追ってきた。彼は僕に尋ねた。僕は「ちんこが無いんだ!」と泣きそうな顔で言った。その顔にはすでに、どこか女性 特有の弱々しさが感じられた、とアレクセイは言っていた。僕は徐々に女になりつつあったのだ。このままでは完全に女体化してしまう、僕は急いでちんこを探 した。
しかし、ちんこは見つかることはなかった。
すっかりしょげた僕が家に帰り着いたのは、夜の21時だった。
警察には届けた。だが警察は言っていた。
「ちんこねぇ。昔は多かったけど、今は失くす人が少ないんだよ。拾った人も、これ幸いとばかりに、ネコババするケースが多くてね」
僕は部屋の電気もつけず、ひっそりと泣いた。まるで見知らぬ女性が助けを求めてすすり泣いているような、そんなか細い泣き声だった。
次の日の朝、僕がニュースを見ていると、昨日の事故についてやっていた。
そこで僕は、初めて自分のちんこの行方を知った。
ニュースでは、87歳の無職女性が、なんと76歳の無職「男性」をはねたということになっていたのだ。
はねられたのは、おばあちゃんのはずだ。僕はその日、アレクセイに一本電話を入れると、大学ではなく、警察へと足を向けた。期待で胸が膨らんだ。
いや、比喩でなしに、僕の胸は膨らみかけていた。これは冗談では済まされない事態だった。女体化は着実に進行していた。
しかし、「希望」は、見出されたのだ。
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