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昨日は寝た。朝の8時に寝た。それは今日だろ、という突っ込みも何の問題もなく成立する時間だ。その話をしたら、「8時になったのに、なぜ寝るんですか」と生徒から質問があった。「もう朝なんだから、そのまま起きていればいいじゃないですか」
もっともな意見だ。そのまま起きていて、その日の夜に早く寝れば、何事もなく次の日の朝を健康的に迎えられるだろう。でも僕はそうはしなかっ た。生徒は不思議そうな顔つきで僕を睨んだ。睨みながら、ポケットからにぼしを取り出し、ばりばりとかじり出した。挑戦的な態度だ。
「朝になると眠くなる人もいるんだ」と僕は答えた。僕はポケットからししゃもを取り出した。そしてもしゃもしゃと 口の中で噛んだ。塩味が広が る。対抗しているのだ、目の前の幼い生徒に。すると生徒は受けて立った。にぼしを口の中いっぱいに入れて、さらに力を入れて僕を睨んだ。「人間は朝日を浴 びると目が覚めるようになっているんです。そんな馬鹿な人間いるはずがありません」
胸がちくりと痛んだ。人間が朝日で体内時計をリセットすることは知っている。だがこの生徒がそんなことを知っているとは思わなかった。見く びっていた。そして彼は簡単にいえば、僕のことを馬鹿な人間と言った。生徒が先生に向かって利く口ではない。しかしそのことに対して怒れば、「論点をずら した」こととなり、それ即ち僕の敗北であろう。僕はポケットからさらにししゃもを取り出し、口にできるだけ詰め込んだ。入りきらない分は、鼻や耳の穴にね じ込んだ。しかし生徒は少しもひるむ様子を見せない。
「僕は夜にしがみついていたんだ、振り落とされないように。だから夜が僕の手の届かない所に去ってしまうと、疲れがどっと出て、眠くなってし まうんだよ」と僕は言った。すると生徒はにやりと笑った。「先生、詩的な表現を使ってごまかそうとしても無駄ですよ。先生は怠惰なだけだ。怠惰に理由をつ けて真実をごまかそうとしている」
僕は焦った。彼は僕を完全にたたきのめすつもりだ。「下剋上」という言葉が頭をよぎった。この教室では、先生をたたきのめした者が次の先生となる権利を得る。つまり彼は僕をここで引きずりおろすつもりなのだ。彼はにぼしを脇の下に挟んで腰を振っている。余裕の表れだ。
しかし僕にも反論の種はある。僕の昼夜逆転は怠惰ではないのだ。昼夜逆転の生活を送るには怠惰ではいられない。それは逆説的ではあるが、「規則 正しい生活」なのだ。僕は夜にしがみついてただ時間を消費し、活力を蓄えて昇ってきた朝日を横目に暗渠へもぐる。これを規則正しく続けるには、怠惰ではい られないだけのエネルギーが必要なのだ。流れに逆らうのには、エネルギーが必要なのだ。
僕はそのことをできるだけ簡潔にまとめて言った。「昼夜逆転にはエネルギーが必要なんだ。わかるかい? 何かに逆行するにはそこに必ずエネル ギーが必要なんだよ。僕から言わせてもらえば、時間に逆らわず朝に起き、夜に寝ている君のほうがエネルギーを使っていない怠惰な存在だ」
すると生徒はこう言った。
「ならば、先生はエネルギーの使い方を誤っています。僕は昼間、先生がエネルギーを浪費して眠っている間に、学校で勉強をしたり、家の手伝いを したりしてエネルギーを使っているんです。それが正しいエネルギーの使い方です。先生には、エネルギーを浪費してまで昼夜逆転するメリットが無い。地球の ためにもならない、先生のためにもならない。先生は愚かです」
僕は生徒にししゃもを投げつけた。ししゃもは生徒の顔に命中した。すると生徒はすぐさまにぼしを投げつけてきた。にぼしは僕の心臓に命中した。僕は負けた。
「朝になると眠くなる人もいるんだ」と僕は答えた。僕はポケットからししゃもを取り出した。そしてもしゃもしゃと 口の中で噛んだ。塩味が広が る。対抗しているのだ、目の前の幼い生徒に。すると生徒は受けて立った。にぼしを口の中いっぱいに入れて、さらに力を入れて僕を睨んだ。「人間は朝日を浴 びると目が覚めるようになっているんです。そんな馬鹿な人間いるはずがありません」
胸がちくりと痛んだ。人間が朝日で体内時計をリセットすることは知っている。だがこの生徒がそんなことを知っているとは思わなかった。見く びっていた。そして彼は簡単にいえば、僕のことを馬鹿な人間と言った。生徒が先生に向かって利く口ではない。しかしそのことに対して怒れば、「論点をずら した」こととなり、それ即ち僕の敗北であろう。僕はポケットからさらにししゃもを取り出し、口にできるだけ詰め込んだ。入りきらない分は、鼻や耳の穴にね じ込んだ。しかし生徒は少しもひるむ様子を見せない。
「僕は夜にしがみついていたんだ、振り落とされないように。だから夜が僕の手の届かない所に去ってしまうと、疲れがどっと出て、眠くなってし まうんだよ」と僕は言った。すると生徒はにやりと笑った。「先生、詩的な表現を使ってごまかそうとしても無駄ですよ。先生は怠惰なだけだ。怠惰に理由をつ けて真実をごまかそうとしている」
僕は焦った。彼は僕を完全にたたきのめすつもりだ。「下剋上」という言葉が頭をよぎった。この教室では、先生をたたきのめした者が次の先生となる権利を得る。つまり彼は僕をここで引きずりおろすつもりなのだ。彼はにぼしを脇の下に挟んで腰を振っている。余裕の表れだ。
しかし僕にも反論の種はある。僕の昼夜逆転は怠惰ではないのだ。昼夜逆転の生活を送るには怠惰ではいられない。それは逆説的ではあるが、「規則 正しい生活」なのだ。僕は夜にしがみついてただ時間を消費し、活力を蓄えて昇ってきた朝日を横目に暗渠へもぐる。これを規則正しく続けるには、怠惰ではい られないだけのエネルギーが必要なのだ。流れに逆らうのには、エネルギーが必要なのだ。
僕はそのことをできるだけ簡潔にまとめて言った。「昼夜逆転にはエネルギーが必要なんだ。わかるかい? 何かに逆行するにはそこに必ずエネル ギーが必要なんだよ。僕から言わせてもらえば、時間に逆らわず朝に起き、夜に寝ている君のほうがエネルギーを使っていない怠惰な存在だ」
すると生徒はこう言った。
「ならば、先生はエネルギーの使い方を誤っています。僕は昼間、先生がエネルギーを浪費して眠っている間に、学校で勉強をしたり、家の手伝いを したりしてエネルギーを使っているんです。それが正しいエネルギーの使い方です。先生には、エネルギーを浪費してまで昼夜逆転するメリットが無い。地球の ためにもならない、先生のためにもならない。先生は愚かです」
僕は生徒にししゃもを投げつけた。ししゃもは生徒の顔に命中した。すると生徒はすぐさまにぼしを投げつけてきた。にぼしは僕の心臓に命中した。僕は負けた。
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