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◆ジョセフの発見
激動の1900年代に、ジョセフはとある島国のゴミ捨て場という劣悪な環境のなかで誕生した。「とある島国」と明言を避けたのは、その国家がすでに存在しないためである。とある大国の侵略を受けて世界地図から歴史ごと消滅させられたその国について記された文献は、非常に少ない。
幻の小島嶼国のゴミ捨て場で、ジョセフは発見された。もっとも、原住民によればジョセフは太古からその国の守り神的存在であり、発見したというのはつまるところ先進国的に発見されたということに他ならない。その先進国──後の侵略国家である──の生物学者は、こぞってこれを革命的発見だとし、そしてサンプルとして3体を祖国に持ち帰ったとされる。
◆守り神としてのジョセフ
さて、その島嶼国家の滅亡について語る前に前に、ここでジョセフがそこでどのように崇められていたのかについて記しておきたい。
ジョセフは、その国ではたくさんの事象の神であったとされる。例えば、ジョセフは雨が降ると大量に発生する。ゆえに、ジョセフはまず第一に「雨の神」であった。生物学的には、ジョセフには雨で体を洗い流す習性があったというだけで、特にジョセフに雨を呼ぶ力があったというわけではない。しかし雨の神であるジョセフは、国民の雨乞いの儀式の際には必ず祭られた。ジョセフ自身も、そのことについては悪い気はしなかったようで、いつも祭壇の上で神妙な顔つきをしていたという。
他にも、王妃が待望の王子を懐妊したと判明したとき、ジョセフが手押し車に轢かれた姿で見つかったことから、国王家にとっては「懐妊の神」と考えられ、王と王妃が夜を交わした翌日には、ジョセフを手押し車で轢くしきたりができた。また、とある村では、ジョセフが現れると村長が腹痛を起こすことから、「村長の腹痛の神」とされている。挙げ続ければキリが無いが、有名どころだけでも挙げると、「弁当の神」、「スクールバスの神」、「船酔いの神」、「扇風機とケント紙の神」、「休日だと思っていたら平日だった日の神」、「へそくりの隠し場所を忘れてしまった夫が、「おい、俺のへそくりはどこだ」とうっかり妻に訊いてしまった時の神」、「つまづいて前に転んだのになぜか仰向けに倒れてしまった人の神」などがある。
◆ジョセフと国の滅亡
戦争が勃発したのは、ジョセフが「発見」されてから数ヶ月後のことである。ジョセフは「戦争の神」としても崇められていたため、国民はジョセフを祭り、そしてその国の国技であったバトントワリングで侵略国に立ち向かった。
しかし、恐るべきはその侵略国の装備であった。一個が街一個を壊滅させるに相当する爆弾と、ライフル銃、マシンガンなど、その国の常識を覆す軍事兵器で、国家そのものを消滅させようとしてきたのだ。初めのうちこそ善戦していたものの、徐々に圧され気味になり、そして勇者とされていたバトントワリングの天才──ケーリー=ジンドラー──が地雷につまづき仰向けに転倒して首とくるぶしの骨を折り戦死したのを皮切りに、あっというまに国土は侵略され、そして滅びた。
◆侵略の真意
なぜ、戦争が起きたのか?
この疑問に対する答えは、ジョセフの主食から明らかになる。ジョセフは、フィッシュバーガーを常食としていた。ジョセフが生息するこの島国には、天然のフィッシュバーガーが大量に自生していたのである。ファーストフード産業が経済の支えの一部として大きく貢献しているその先進国は、自国の利益のためという全くもって自国本位の理由だけで、愛すべきひとつの国家を幻のものとしてしまったのである。
激動の1900年代に、ジョセフはとある島国のゴミ捨て場という劣悪な環境のなかで誕生した。「とある島国」と明言を避けたのは、その国家がすでに存在しないためである。とある大国の侵略を受けて世界地図から歴史ごと消滅させられたその国について記された文献は、非常に少ない。
幻の小島嶼国のゴミ捨て場で、ジョセフは発見された。もっとも、原住民によればジョセフは太古からその国の守り神的存在であり、発見したというのはつまるところ先進国的に発見されたということに他ならない。その先進国──後の侵略国家である──の生物学者は、こぞってこれを革命的発見だとし、そしてサンプルとして3体を祖国に持ち帰ったとされる。
◆守り神としてのジョセフ
さて、その島嶼国家の滅亡について語る前に前に、ここでジョセフがそこでどのように崇められていたのかについて記しておきたい。
ジョセフは、その国ではたくさんの事象の神であったとされる。例えば、ジョセフは雨が降ると大量に発生する。ゆえに、ジョセフはまず第一に「雨の神」であった。生物学的には、ジョセフには雨で体を洗い流す習性があったというだけで、特にジョセフに雨を呼ぶ力があったというわけではない。しかし雨の神であるジョセフは、国民の雨乞いの儀式の際には必ず祭られた。ジョセフ自身も、そのことについては悪い気はしなかったようで、いつも祭壇の上で神妙な顔つきをしていたという。
他にも、王妃が待望の王子を懐妊したと判明したとき、ジョセフが手押し車に轢かれた姿で見つかったことから、国王家にとっては「懐妊の神」と考えられ、王と王妃が夜を交わした翌日には、ジョセフを手押し車で轢くしきたりができた。また、とある村では、ジョセフが現れると村長が腹痛を起こすことから、「村長の腹痛の神」とされている。挙げ続ければキリが無いが、有名どころだけでも挙げると、「弁当の神」、「スクールバスの神」、「船酔いの神」、「扇風機とケント紙の神」、「休日だと思っていたら平日だった日の神」、「へそくりの隠し場所を忘れてしまった夫が、「おい、俺のへそくりはどこだ」とうっかり妻に訊いてしまった時の神」、「つまづいて前に転んだのになぜか仰向けに倒れてしまった人の神」などがある。
◆ジョセフと国の滅亡
戦争が勃発したのは、ジョセフが「発見」されてから数ヶ月後のことである。ジョセフは「戦争の神」としても崇められていたため、国民はジョセフを祭り、そしてその国の国技であったバトントワリングで侵略国に立ち向かった。
しかし、恐るべきはその侵略国の装備であった。一個が街一個を壊滅させるに相当する爆弾と、ライフル銃、マシンガンなど、その国の常識を覆す軍事兵器で、国家そのものを消滅させようとしてきたのだ。初めのうちこそ善戦していたものの、徐々に圧され気味になり、そして勇者とされていたバトントワリングの天才──ケーリー=ジンドラー──が地雷につまづき仰向けに転倒して首とくるぶしの骨を折り戦死したのを皮切りに、あっというまに国土は侵略され、そして滅びた。
◆侵略の真意
なぜ、戦争が起きたのか?
この疑問に対する答えは、ジョセフの主食から明らかになる。ジョセフは、フィッシュバーガーを常食としていた。ジョセフが生息するこの島国には、天然のフィッシュバーガーが大量に自生していたのである。ファーストフード産業が経済の支えの一部として大きく貢献しているその先進国は、自国の利益のためという全くもって自国本位の理由だけで、愛すべきひとつの国家を幻のものとしてしまったのである。
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この記事へのコメント
無題
Re:無題
しかし同時に、「休日出勤の神」の神としても崇められているので、なかなか崇めどころが難しいという難点を孕んでいます。
無題
Re:無題
じょせふはただふぃっしゅばーがーが大好きなだけなんだ!