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20世紀を代表する世界の犯罪者ファイルからの抜粋です。
File 001
"オールディンの殺し屋" メドール=ジントニック
1960年代のオールディンを恐怖のどん底に陥れた伝説の殺人鬼。イギリスのホークランドを一夜にして血の海に変えたと言われている。
毎日朝が早い肉屋のオダール=C=プディング氏は、朝起きて外に出た瞬間、道路が血の海に染まっていたことに驚いたという。
最も恐ろしいのはその殺害の手口である。
まずターゲットに背後からそっと忍び寄る。そして夜の闇すら気がつかないうちに、音も立てずに渾身の右ストレート。続けざまに鼻フック。そして相手がよろけたところにジャブで止めだ。全ての動作は、ギリシャ国歌を1番から最後まで歌いきる間に終わってしまう。
証拠は一切残らない。被害者はいったいなにが起こっているのかも分からないうちに、血の海に沈没する。オールディンに住まう人々は恐怖におび え、夜に出歩くことは無くなった。夕方の17時を過ぎると商売にならないので、どこも店じまいである。そして夜の闇におびえながら、お菓子を片手にテレビ を見つつ、朝を待つ。
そういうことで、オールディンの人々はすっかり寝不足になってしまった。皆、目の下に真っ黒なクマを蓄え会社に出勤し、或いは学校に登校した。そして或る日、配送業に従事するクラム=キットカット氏は、自分の部下であるメドールの目にクマが無いことに気づく。
こうしてメドールは逮捕された。
法廷で残した一言「限定的に偏在する空虚にこそ栄光は群集する。しかしその裏、概括的に存在するめざまし時計を偏愛するものにこそ、たけのこが与えられることも忘れてはならない」はあまりにも有名である。
◆ ◆ ◆
File008
"エンヤルの詐欺師" ホーバー=ケンタッキー
恐るべき詐欺師。いや、詐欺師と言う枠にくくること自体が誤りである。彼は自分自身がそうであろうとするより以前から、存在自体が詐欺であったのだから。
生まれは1974年の夏である。彼はリンダ=ケンタッキーの元に生まれた。しかし、「生まれた」と言う表現は適切でないことを知っておかなくてはならない。彼は正直に言うと、生まれたのではない。かと言って、生まれなかったのでもない。
ホーバーは、ごくふつうの虫捕り少年だった。5歳の頃には月間で1000匹の昆虫を捕まえ、周囲から「こんちゅうはかせ」と呼ばれていた。その ペースは次第にいや増し、8歳を過ぎる頃にはついに月間5000匹の大台に載り、あだ名は「こんちゅうマニア」にランクアップした。そして11歳で記録は 1万匹をマーク。その頃になると「こんちゅうシンドローム」と呼ばれるようになり、「こんちゅうだいすきクラブ」にも入会したという。以降8000~1万 匹のペースを保ち、獄中でその命を絶つまでに通産で60万匹の昆虫を捕まえたという。最後のランクは「こんちゅうアディクション」だった。
しかし、真実は違う。我々にはそう見えたというだけであり、彼にとっては実はそうではなかったのだ。
彼はいわゆる「力の保持者」であった。彼の自己意志に基づいた行動は全て、我々にとって主客が逆転して映るのである。彼が「歯を磨く」時、われわれには「歯が彼を磨いている」かのように見えたし、彼が「映画を見ている」時は、「映画が彼を見ていた」のである。
つまり彼は、我々には全く想像もつかない存在だったのである。この話が確かだとするならば、彼は月間8000匹もの昆虫に捕まっていたことにな るし、ご飯を食べているときはご飯に食べられていたことになる。さらに言えば、彼は生まれたのでなく、彼が母を生んだのだという奇妙な話になるため、この 話はごく一部の犯罪者マニアにしか知れ渡っていない。
◆ ◆ ◆
File045
"うらぶれた屈伸男" ネイミン=トーフ
1980年代のアメリカ、ロマンスヒルに突如として出没し、屈伸運動を繰り返した恐怖の男。夜道を歩いていると前方から規則的に屈伸運動をしな がら現れ、こちらが驚いているとどんどん笑顔になっていく。必ず一定距離を保ち、3mよりは絶対に近づいてこない。どんなに速く走ってもついてくるが、家 の中には入ってこないのが特徴。被害者は皆急いで自宅を目指し、ベッドにもぐり、時たまカーテンをそっと開いて、窓にへばりついて屈伸運動をする彼が去る のをじっとこらえながら朝を待ったという。
あまり知られていないが、実はまだ逮捕されておらず、いまだロマンスヒルの町を堂々と闊歩していると思われる。
◆ ◆ ◆
File046
"真摯な掃除夫" ルーベルト=ゼリー
同じく1980年代に、こちらはテキサス州のレーディンを不眠の町に陥れた。
朝になると、自分の部屋が妙にきれいになっていることに気づく。そう、ルーベルト=ゼリーのしわざである。家人が眠りに就くと、彼はどこからともなく部屋に侵入し、部屋を徹底的にきれいに片付け、そして去っていく。
汚い部屋に安寧、安心、安眠を見出していた多くの若者は、恐慌状態に陥り、例外なく精神を病んだ。ほこりひとつ残っていない部屋は、まるで他人の部屋のようであったからである。
こちらもあまり知られていないが、やはりいまだ捕まっていない。
◆ ◆ ◆
File088
"もっともらしい芸術家" ファンドリラ=カツゲン
1990年。もっともらしいことを言って、人を納得させるのが得意だったと言われている。
もっとも最後に言ったもっともらしいことは「扇風機には『否定』の神が宿っている」だったという。もっとも、過去にはもっともっともらしいことももっと言っていたらしいが。
◆ ◆ ◆
File093
"与那国のベッカム" タケオ=エダマメ
罪状不明。悪いやつだったということだけは確かである。
"オールディンの殺し屋" メドール=ジントニック
1960年代のオールディンを恐怖のどん底に陥れた伝説の殺人鬼。イギリスのホークランドを一夜にして血の海に変えたと言われている。
毎日朝が早い肉屋のオダール=C=プディング氏は、朝起きて外に出た瞬間、道路が血の海に染まっていたことに驚いたという。
最も恐ろしいのはその殺害の手口である。
まずターゲットに背後からそっと忍び寄る。そして夜の闇すら気がつかないうちに、音も立てずに渾身の右ストレート。続けざまに鼻フック。そして相手がよろけたところにジャブで止めだ。全ての動作は、ギリシャ国歌を1番から最後まで歌いきる間に終わってしまう。
証拠は一切残らない。被害者はいったいなにが起こっているのかも分からないうちに、血の海に沈没する。オールディンに住まう人々は恐怖におび え、夜に出歩くことは無くなった。夕方の17時を過ぎると商売にならないので、どこも店じまいである。そして夜の闇におびえながら、お菓子を片手にテレビ を見つつ、朝を待つ。
そういうことで、オールディンの人々はすっかり寝不足になってしまった。皆、目の下に真っ黒なクマを蓄え会社に出勤し、或いは学校に登校した。そして或る日、配送業に従事するクラム=キットカット氏は、自分の部下であるメドールの目にクマが無いことに気づく。
こうしてメドールは逮捕された。
法廷で残した一言「限定的に偏在する空虚にこそ栄光は群集する。しかしその裏、概括的に存在するめざまし時計を偏愛するものにこそ、たけのこが与えられることも忘れてはならない」はあまりにも有名である。
◆ ◆ ◆
File008
"エンヤルの詐欺師" ホーバー=ケンタッキー
恐るべき詐欺師。いや、詐欺師と言う枠にくくること自体が誤りである。彼は自分自身がそうであろうとするより以前から、存在自体が詐欺であったのだから。
生まれは1974年の夏である。彼はリンダ=ケンタッキーの元に生まれた。しかし、「生まれた」と言う表現は適切でないことを知っておかなくてはならない。彼は正直に言うと、生まれたのではない。かと言って、生まれなかったのでもない。
ホーバーは、ごくふつうの虫捕り少年だった。5歳の頃には月間で1000匹の昆虫を捕まえ、周囲から「こんちゅうはかせ」と呼ばれていた。その ペースは次第にいや増し、8歳を過ぎる頃にはついに月間5000匹の大台に載り、あだ名は「こんちゅうマニア」にランクアップした。そして11歳で記録は 1万匹をマーク。その頃になると「こんちゅうシンドローム」と呼ばれるようになり、「こんちゅうだいすきクラブ」にも入会したという。以降8000~1万 匹のペースを保ち、獄中でその命を絶つまでに通産で60万匹の昆虫を捕まえたという。最後のランクは「こんちゅうアディクション」だった。
しかし、真実は違う。我々にはそう見えたというだけであり、彼にとっては実はそうではなかったのだ。
彼はいわゆる「力の保持者」であった。彼の自己意志に基づいた行動は全て、我々にとって主客が逆転して映るのである。彼が「歯を磨く」時、われわれには「歯が彼を磨いている」かのように見えたし、彼が「映画を見ている」時は、「映画が彼を見ていた」のである。
つまり彼は、我々には全く想像もつかない存在だったのである。この話が確かだとするならば、彼は月間8000匹もの昆虫に捕まっていたことにな るし、ご飯を食べているときはご飯に食べられていたことになる。さらに言えば、彼は生まれたのでなく、彼が母を生んだのだという奇妙な話になるため、この 話はごく一部の犯罪者マニアにしか知れ渡っていない。
◆ ◆ ◆
File045
"うらぶれた屈伸男" ネイミン=トーフ
1980年代のアメリカ、ロマンスヒルに突如として出没し、屈伸運動を繰り返した恐怖の男。夜道を歩いていると前方から規則的に屈伸運動をしな がら現れ、こちらが驚いているとどんどん笑顔になっていく。必ず一定距離を保ち、3mよりは絶対に近づいてこない。どんなに速く走ってもついてくるが、家 の中には入ってこないのが特徴。被害者は皆急いで自宅を目指し、ベッドにもぐり、時たまカーテンをそっと開いて、窓にへばりついて屈伸運動をする彼が去る のをじっとこらえながら朝を待ったという。
あまり知られていないが、実はまだ逮捕されておらず、いまだロマンスヒルの町を堂々と闊歩していると思われる。
◆ ◆ ◆
File046
"真摯な掃除夫" ルーベルト=ゼリー
同じく1980年代に、こちらはテキサス州のレーディンを不眠の町に陥れた。
朝になると、自分の部屋が妙にきれいになっていることに気づく。そう、ルーベルト=ゼリーのしわざである。家人が眠りに就くと、彼はどこからともなく部屋に侵入し、部屋を徹底的にきれいに片付け、そして去っていく。
汚い部屋に安寧、安心、安眠を見出していた多くの若者は、恐慌状態に陥り、例外なく精神を病んだ。ほこりひとつ残っていない部屋は、まるで他人の部屋のようであったからである。
こちらもあまり知られていないが、やはりいまだ捕まっていない。
◆ ◆ ◆
File088
"もっともらしい芸術家" ファンドリラ=カツゲン
1990年。もっともらしいことを言って、人を納得させるのが得意だったと言われている。
もっとも最後に言ったもっともらしいことは「扇風機には『否定』の神が宿っている」だったという。もっとも、過去にはもっともっともらしいことももっと言っていたらしいが。
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File093
"与那国のベッカム" タケオ=エダマメ
罪状不明。悪いやつだったということだけは確かである。
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