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長男・たるお「ただいまー!」
母・くるこ「おかえり、たるお。早速だけどおつかいに行ってきてくれない?」
たるお「ホントに早速だね。何買ってくればいいの?」
くるこ「悲劇よ」
たるお「え?」
くるこ「悲劇を買ってきて。とっても悲しいやつね」
たるお「ママ、何言ってるのか全然分からないよ……」
くるこ「いいから買ってきなさい。はい、お金。
車に気をつけてね」
たるお「うわぁ、また50円だ。
50円じゃ悲劇はおろかひじきも買えないよ。
ママって本当に常識ないね。まさに悲劇だよ」
くるこ「何つまんないこと言ってんの。早く行ってきなさい。
パパが帰ってきちゃうでしょ」
たるお「……行ってきます」
母・くるこ「おかえり、たるお。早速だけどおつかいに行ってきてくれない?」
たるお「ホントに早速だね。何買ってくればいいの?」
くるこ「悲劇よ」
たるお「え?」
くるこ「悲劇を買ってきて。とっても悲しいやつね」
たるお「ママ、何言ってるのか全然分からないよ……」
くるこ「いいから買ってきなさい。はい、お金。
車に気をつけてね」
たるお「うわぁ、また50円だ。
50円じゃ悲劇はおろかひじきも買えないよ。
ママって本当に常識ないね。まさに悲劇だよ」
くるこ「何つまんないこと言ってんの。早く行ってきなさい。
パパが帰ってきちゃうでしょ」
たるお「……行ってきます」
──とりあえず近所の商店街をぶらぶらするたるお。
たるお「あーあ。またママに意味の分からないおつかいを頼まれたよ。
どこで時間をつぶそうかなぁ」
たるお「あ、あれは同じクラスのぎるえちゃんだ!
おーい、ぎるえちゃん、何してるの?」
ぎるえ「あら、たるおくん、あなたこそ何してるの?
顔に悲壮感が漂ってるわよ」
たるお「うん、うち、悲劇なんだ……」
ぎるえ「残念なおうちなのね。
何か恵んであげようかしら?」
たるお「ありがとうぎるえちゃん、できれば悲劇がいいな」
ぎるえ「悲劇?ひじきならあるけど……」
たるお「ひじきはいらないよ。
すごーく悲しい話が聞きたいなぁ」
ぎるえ「そうねぇ……。
じゃぁ、この前うちであったすごく悲劇的な話を教えるわ」
たるお「ありがとう!ぎるえちゃん!」
──話し始めるぎるえ。
ぎるえ「あれは先週の水曜日だったかしら。
うちのパパの帰りが妙に遅い日があったのよ」
ぎるえ「ママは心配して、パパの会社や、友達の家に電話をかけたの。
でもどこにもいなくて、これは警察に電話しよう、ということになったの」
ぎるえ「そう思った矢先に警察から電話がかかってきたのよ。
ママはもうパニックで話ができない状態だったから、私が出たわ」
ぎるえ「そうしたらね、パパは意識不明の重体で病院にいるんだって!
びっくりしたわ。パパ、事故に遭ったのかなぁって」
ぎるえ「それで私、パパに何があったんですか、って聞いたらね。
パパはどうも、帰り道に道端でおしっこしたみたいだっていうの」
ぎるえ「それでどうして意識不明になったのか不思議よね。
私も聞き返したわ。そしたらね、パパがおしっこしたところには
ちょうど金網のフェンスがあって、それに切れた電線が接触して
電気が流れてたんですって。まさに悲劇よね」
──話を終えたぎるえ。たるお、満足げにうなずく。
たるお「ありがとう、ぎるえちゃん。はいこれ、50円。
これで僕も安心して家に帰れるよ。また明日学校でね。
理力があなたとともにありますように」
ぎるえ「またね、元気出してね、たるおくん」
──家に着いたたるお。
くるこ「あらおかえり、悲劇は買ってきた?」
たるお「うん、とびきりのやつを買ってきたよ!
で、悲劇をどうするの?」
くるこ「今日の晩御飯は悲劇よ。
悲劇を食べましょう」
たるお「ええーっ!?
悲劇は食べられないし、悲劇じゃお腹は膨らまないよ!
まさに悲劇だよ!ママ、正気を取り戻してよ!」
くるこ「正気を取り戻すのはたるお、あなたのほうよ。
さぁ、悲劇を出しなさい。早く支度しないとパパが帰ってきちゃうわ」
たるお「今日は晩御飯抜きかぁ……」
──父・さるへい帰宅。
さるへい「ただいま」
くるこ「あら、おかえり。ほらたるお、パパが帰ってきちゃったじゃないの。
早く悲劇出しなさい」
たるお「パパ、助けてよ。このままじゃ今日は晩御飯抜きだよ。
なんとかしてーっ」
さるへい「なんだなんだ。どうしたんだ。
とりあえず、ひじきを買ってきたから落ち着きなさい」
たるお「え……?ひじき……?
やったー!今日の晩御飯はひじきだー!」
くるこ「さすがあなたね。
これで今日の晩御飯はひじきに決まったわ」
たるお「ママ……」
さるへい「なんだかよく分からないが、まぁいいか。
僕の勘もなかなか頼りになるもんだね」
──夕食。
たるお「ひじきはおいしいなぁ!」
さるへい「いっぱいあるからどんどん食べなさい」
くるこ「ところで、照岡家でバンド組まない?」
さるへい「おいおい、どうしたんだ急に。
でもまぁ、楽器をやるってのはおもしろそうだな。
たるお、何かやってみたい楽器はないか?」
たるお「え?もしかしてパパが買ってくれるの?
僕ギターがやりたいな!」
さるへい「そうかそうか、じゃぁ今度の誕生日にでもギターを買ってやろう」
たるお「やったー!」
くるこ「ママはベースがいいわ」
たるお「ママ、ベースなの?
キャラじゃないよ……」
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