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かそのとり

過疎ってます。

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 トマロに行ってみて私が思ったことは、カフェによってコーヒーの淹れ方が明らかに異なるということである。
 クルミア空港で一服した時に飲んだコーヒーはかなり雑で苦味がきつく、トマロではみなこのような淹れ方をするのだろうかと思った。しかし、その後別のカフェに訪れると、そこではごくあっさりとした軟らかな淹れ方なのである。
 滞在1週間で、カフェを7か所訪れたが、いずれも淹れ方にはっきりと特徴があった。コーヒーというよりコーラを出すところもあったし、コーヒーを血液で抽出しようとして失敗したところや、シャコエビのしっぽをコーヒーと偽って出すところもあった。
 ガイドのウルマロさんに尋ねてみると、どうやらこの違いは民族性によるものらしい。そこで初めて、私はトマロに恐るべき数の民族が住んでいることを実感したのである。

 トマロには、大きく分けて7つの民族がある。それぞれ、ナマ族、ムギ族、ナマ族、ゴメ族、ナマ族、タマ族、ゴ族である。ナマ族が3つもあるが、決してふざけているわけではない。日本語では書き表すすべがないが、発音が3つとも微妙に異なるのである。
 最初のナマ族は、上の歯茎を下の歯茎につけるようにして、はっきり「ナマ」と発音する。日本人には難しく、私もウルマロさんに7日間つきっきりで講習してもらってやっと、10回に1回発音できるようになった。
 次のナマ族は、舌で右ほほの裏を思い切りつっつき、目を見開いて「ナマ」と発音する。トマロ人は目も言語媒体として使うのである。ちなみにアクセントは、「ナ」と「マ」のちょうど中間にある。
 最後のナマ族は、裏声で「大きなのっぽの古時計」を歌いながら、ふと思い出したように「ナマ」と発音する。これが一番簡単かもしれない。
 しかし活字にする上で区別がつかないので、それぞれナマラ族、ナマメ族、ナマゲ族と呼ぶことにする。

 とにかく、トマロには7つの民族がある。しかしこれはかなり大雑把なくくりで、さらに細分化することが可能である。たとえばナマラ族は、そこか らさらにメン族、タン族、ピン族、イー族、ペー族、コー族、ドラ族、ドラ族、オヤノ族、ハネ族、マン族、イチマン族、ハッセン族、テン族に分かれる。(ド ラ族が2つあるが、それはナマ族と同じように発音が微妙に異なる。)
 賢明な諸君はもうお気づきかもしれないが、もちろん以上の民族は、さらに細分化される。メン族はさらに78の民族に、タン族は91の民族に、ピン族は66の民族に、イー族は32の民族に分かれるといったように、無数に民族が存在するのだ。
 これらについて詳細に書くことは現実的ではないので、最初に大きく分けた7つの民族について、この第二章では書き進めていきたい。
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